Webの更新費用や管理費、月額5万円で何ができる?
皆さんは自社のホームページの更新費用や管理費はいくらくらいが適切だと思いますか?
これは運用しているホームページの規模(ページ数)や、ユーザー登録や商品購入をする(EC)サイトかどうかなど、条件によってかなりばらつきが出てしまいますので、一概には言いづらいところです。
Webはどうしても技術が絡む世界ですので、なかなか相場が見えないと思います。ネットで検索するとわかりますが、各制作会社によって更新費用や管理費は違いますし、対応してくれる作業もバラバラです。これがごく一般的なお客様からすると、「なんでそんなに費用に差があるんだろう?」と疑問に思うところでしょう。
更新費用や管理費をわかりやすく分類すると
もっとわかりやすく考えてみるとクリアになるかもしれません。一般的にホームページの更新費というのは、ページの修正や追加を指します。当然、毎月1ページしか修正しないのと、毎月数十ページの修正や新規追加がある場合では、コストが異なります。
また、ホームページを単なる告知媒体としてではなく、SEO上有利になる施策をしっかりと行い、広告もガンガン投下してユーザーを獲得するツールとして活用している場合も、当然運用費は高額になります。
ただ、サーバ代やドメイン代は、今や大変安価になりました。数万ページの巨大サイトや、自社専用の特別なシステムと連携でもしていない限りは、年額数万円のもので十分でしょう。
そこで今回は、単純な文字修正などのケースや、一般的に保守費や維持費にも分類されるサーバ代・ドメイン代等は除き、少なくとも集客や問い合わせ獲得といった「何らかの成果を上げる」ためにWebサイトを更新したり、戦略的に管理していくための費用について考えてみたいと思います。
Webの更新・管理費、月額5万円でできること
結論から言いましょう。「何もできない」が答です。
えええ!そんな言い分はひどいだろう!と思われるかもしれません。そうですよね(笑)。じっくり解説していきましょう。
現在のホームページには成果が求められる
もちろん、単なるページ内のテキスト修正しか行わないというなら、月額5万円もかからないでしょう。しかし、よく考えてみてください。皆さんはそれで満足ですか?正直、それならばWord PressなどのCMS(コンテンツ管理システム)を入れ、自分たちで更新した方が安上がりです。
しかし実際はどんなお客様でも、ホームページを更新し、運用していくのには「多くの方に見てもらいたい!」という普遍的な意図があるはずです。
そしてこの「多くの方が見てくれるホームページにする」=「多くのユーザーを獲得するホームページにする」という『成果』を達成するには、単に思いつきでページを更新、追加すれば良いということにはなりません。
「考える作業」こそ時間と手間、そしてコストがかかる
ユーザーを獲得できるホームページにするには、当然、ユーザーが求めている情報を発信している必要があります。この「ユーザーが求めている情報」というのを的確にキャッチするのは、実はなかなか大変です。
- 発信する情報は単なる自社目線の一方的なものでないか?
- ページに掲載するコンテンツはユーザーが理解しやすい形になっているか?
- 検索した際、他社よりも上位に表示されそうか?
- SNSとの連携は上手くできているか?
…などなど、こういったことを考えつつ、ページを更新しなくてはなりません。
結局のところ、これらの条件を満たしつつページを更新するためには、相当「考える」工程が必要です。しっかりとした運用をしてくれる会社ほど、この「考える」部分を重視し、御社と一緒に試行錯誤してくれるはずです。
しかし当然、単なる文字修正といった作業に比べ、コストはかかります。実際このようなホームページの更新や管理を目指すなら、ページ1つを更新するにしても、様々なやり取りが発生します。
「どのようなページにしたいのか?その意図は何か?」「テキストライティングはどうする?」「どんな画像(イメージ画像やチャート)が必要か?」「SEO的に有利か?」
・・・このようなやり取りを経てページを作るので、当然時間と手間がかかってきます。これが月額5万円ではほとんど何もできない理由になってきます。
たとえば弊社でも、担当する役割別に以下のようなレイヤーがあります。
コンサルタント | お客様会社の業務まで理解し、Webでの成果を上げる施策をお客様と一緒に案出することができる。 |
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PM/ディレクター | 各作業者の工程管理や、お客様からの的確なヒアリング、プロジェクト全体の統括ができる。(PM:プロジェクトマネージャー) |
デザイナー/エンジニア | 実際の作業を行うWebデザイナーやコーダー、プログラマ。 |
誤解なさらないでくださいね、上に行くほど偉いわけではありません(笑)。実際、現在のWebエンジニアは相当なスキルを求められるため、高単価になりやすい傾向があります。表の上方に位置する人材ほど、実作業行う人材よりも、より戦略面を理解し、お客様のビジネス面で成果を上げられる能力が求められるということです。恐らく他社でも同様でしょう。
そして、PMやコンサルタントといった人材が連携し、お客様とともに戦略を考えながらWebの更新・管理を行うなら、手間も時間もかかり、結果的にコストもかかるようになるということです。
大手の会社は月額5万円では何もしてくれない
さて、ちょっと気が引けますが、業界の裏話もしましょう(苦笑)。実は名の通った大手の会社(あるいは子会社)は、月額5万円程度では何もしてくれないのが実情です。
しかし、ここまで読んでくださった方ならもうお分かりでしょう。実際に成果を上げるWebを作り、運用するには、様々な工程が必要なので、相応のコストがかかり、さらに多くの人員を抱えるような業界大手の会社からすると、月額5万円程度では全く利益にならないのです。
結果的に、このような大手会社はコスト削減に走ります。ページの更新は極力少なく、ちょっとでもボリュームがあれば、より高額なコースへ移行させる営業ばかり…。SEO会社であれば、会社名を入れ替えるだけの定型のレポートを出してきたり、問題点を軽く指摘する程度のアドバイスで終わり、効果は全く実感できない…。Web広告運用会社は、出稿した広告費の2割程度が利益となるため、そもそも月額5万円では仕事を受けてくれません。皆さんもそんな苦い経験がありませんか?
つまり、大手の会社が狙っているのは大企業なのです。大企業のWebならば、そもそも毎月のページ更新量が膨大なので、しっかりとした体制がなければ回らず、SEOや広告も含めると、その運用費は月数百万円にも上ります。当然このような大口の顧客を重視するため、エース級の有能な人材はそちらにアサインし、月額5万円程度の顧客には、新人で対応させたり、時間もコストもかかる手厚いサポートは省くようになります。
実は弊社の中小企業のお客様は、このような経験をして辟易としてしまい、弊社にサイト制作や更新・管理をご依頼くださった方がかなりいらっしゃるのです。
適切な更新費用や管理費を意識するのが大切
正直、このような事情があっても大企業にとっては問題ありません。Webの管理や運用に毎月何百万円、何千万円かかろうとも、それ以上の成果(売上や利益)が出さえすれば良いのです。しかし、日本の9割以上を占める中小企業や、果ては零細、個人事業者にとっては現実離れした金額感でしょう。
ただ、かといってあまりに格安の業者やフリーランスに依頼するのも注意が必要です。「安かろう悪かろう」ではないですが、格安であれば極力「考える」作業を省き、単純な作業しか行ってくれない可能性もあります。またフリーランスは本当に玉石混交。本来、本気で効果のあるホームページを運用していくなら、相応の知識と体制が必要であり、そしてそれをこなせるフリーランスは、大手企業並みに料金がかかります。
中小企業のWebはどのようにあるべきかを、わかりやすくまとめたページでもお伝えしましたが、中小企業や零細、個人事業者にとっては、割ける時間や手間、そしてコストが限られているからこそ、それらを適切に配分することが何よりも重要です。ホームページの更新費用や管理費についても、同様に適切な金額感を持って考えていただけると幸いです。もちろんご質問やご相談はお気軽にお寄せください。